飛騨市・広葉樹のまちづくりセミナー2021『広葉樹の森が生み出す水、水が育む飛騨市の魅力』を開催しました
レポート
7月29日(木)、本年度の第1回広葉樹のまちづくりセミナーとして、『広葉樹の森が生み出す水、水が育む飛騨市の魅力』と題したセミナーを開催しました。講師は、今年度から飛騨市が実施する「広葉樹の森と地域産品等との連関を紐解くプロジェクト」で、飛騨市の広葉樹の森から流れる出る水や土壌などの分析・研究をお願いしている岐阜大学応用生物科学部准教授の大西健夫先生です。
第1部として先生から「落葉広葉樹林と人工林は何が違うのか?」と題したご講演をいただいた後、第2部として都竹飛騨市長とのトークセッションを行いました。最初のご講演では、森林と水の関係性を広葉樹天然生林(落葉広葉樹・二次林)と針葉樹人工林とに分け、水資源貯留機能、洪水調節機能、土壌浸食防止機能、水域生態系への影響、水質の違いなどの項目ごとに大変分かりやすくご説明をいただき、その後のトークセッションでは、広葉樹の森から流れ出る水が飛騨市の質の高い産品にどう影響を与えているのか、という点について様々な仮説を元に話が盛り上がりました。近くの川に当たり前のように流れている水が、実は数十年、ひょっとしたらもっと前に降った雨かもしれないこと、分析するとその年数が分かること、また、広葉樹天然林の方が降った雨が長い時間をかけてより地中深く浸透することなど、森と水の意外と知らない関係性が明らかになりました。
先生には今後も飛騨市でのフィールド調査を継続的に行っていただく予定です。調査・分析の結果は定期的に様々な機会を設けて皆様にお伝えいたしますのでご注目ください。