広葉樹って何?
広葉樹とは?
約20万種類の膨大な樹種。
葉や木の色の多様性が特徴。
葉は広く平たい形状。楕円形、ギザギザの切れ込みなど個性豊か。樹形は枝分かれして育ち、こんもりと丸くなる。また、ゆっくりと成長する分重く、密度も高くて硬い材質が特徴。代表樹種はブナ、ナラ、サクラ、クリ、ホオノキなど。
針葉樹とは?
樹種は約500種類。
生育が早くまっすぐな材質が特徴。
針のように細く尖った形状の葉。樹形は上に真っすぐ伸び育ち、尖った三角形になる。早く生育する分軽く、密度も低くて柔らかい材質。木材の色は明るめのものが多い。代表樹種はスギ、ヒノキ、モミ、マツ、サワラなど。
小径木って何?
小径木とは?
一般的に小径木(しょうけいぼく)の明確な定義はありませんが、ここでは、胸高直径(胸の高さの直径)26センチ程度、またはそれ以下の広葉樹を指しています。このサイズは、飛騨市内の森林にある広葉樹の胸高直径の平均なのですが、家具等に使うには細くて向かないため、多くがチップとなって市外に出てしまう大きさとなります。
小径木とは
胸の高さの直径が
26cm以下の
木材です!
だから広葉樹は「面白い」
形や色が個性豊かだから美しい。大量消費の時代から、オーダーメイドで長く使う時代へ。生まれながらの形状を活かした独創的な製品が生まれる。多様性を尊重する時代に適した大きな可能性を秘めた木材!
多種多様な色や形状は
自然が作り上げた唯一無二の芸術
曲がり、節、木目、形や色がバラバラな広葉樹だからこそ、素材がすでにオンリーワンの芸術品と言えます。そんな広葉樹が持つもともとの形や節を活かして、この世に一つしかない独創的なプロダクトを制作することができます。国内産のそうした広葉樹は流通量が非常に少ないため、全国各地の木工職人を始めとするクリエイターからの需要が高まっています。需要と供給の適切なマッチングを図ることで、広葉樹の活用可能性は大きく広まります。
広葉樹は、日本の未知なる資源。
今取り組むことで未来へつながる。
様々な業界において機械化・自動化が進む中で、同一樹種でも形や色に大きな差が出る広葉樹だからこそ、プロの手による技術や経験が存分に発揮されます。また、多様な樹種を組み合わせることで美しいグラデーションを表現することができるなど、多様性・個性を尊重する現代社会において、意思を具現化する手段としても大きな可能性があります。そうした新たな活用方法を生み出すことは、日本の林業にも大きな影響をもたらします。
だけど広葉樹は「難しい」
形や色がバラバラなため扱いにくい。樹種が多様なために大量生産に向いていない。細いから薪かチップにしか活用されない。課題は山積み、どうやって価値を向上させる?
大量生産には向かない
多種多様な形状・樹種の木材
広葉樹は豊富な樹種によって形や色、大きさもバラバラのため、同規格かつ同一の樹種を安定的に伐り出すことが難しい木材です。真っすぐな針葉樹は伐採や加工が機械により効率化できる反面、広葉樹は節や曲がりがあるために非常に手間がかかります。また、針葉樹は同じ規格の木材を安定して生産できるため、伐り出してから買い手に渡るまでの流通の仕組みが確立されています。一方、広葉樹にはそのような仕組みがないため、買い手とのマッチングが難しいという一面もあります。
知識もデータもない。
手探りで開拓していく現状
日本の林業は、戦後の高度成長期に不足した建材などに用いる木材を生産するため、真っすぐで加工しやすく、生長も早い針葉樹を中心に発展してきました。そのため、森づくりを始め、これまで培われた様々な技術開発、研究は針葉樹がメインです。一方で、かつては薪や炭など、エネルギーの中心であった広葉樹は、時代の流れから使い道がほとんどなくなってしまいました。その結果、針葉樹とは逆に広葉樹を育てたり、伐採・加工するノウハウやデータの蓄積が非常に少ない現状があります。