レーザー計測による資源量調査を開始しました
レポート
飛騨市は、広葉樹天然林における持続可能な林業の新たな仕組みづくりのため、本年度から様々な試験・研究・実証事業を行います。今回、その一環としてドローンやレーザー計測などの最新技術を活用した広葉樹の詳細資源量調査を開始しました。
広葉樹は針葉樹と違って樹種が多様であるため、施業前に樹種ごとの出材量を把握・予測するのが困難です。そのため、これまでは出てきた材をどう使うか…という視点、要は伐ってみないとどんな材がどれだけ出てくるのか分からないというところが広葉樹の価値化を進める上で一つのネックになっていました。
今回の調査は、それらの課題を踏まえて試験的に実施するもので、地形や樹形の3D化、材積の把握のみならず、樹種の判別までをこの調査で行うことを目指しています。これが実現すれば、立木のうちから林内にある樹種や材積をある程度把握することが可能となるため、伐採箇所や施業方法の検討に活用したり、伐採前から川下分野への営業活動に活用したり、広葉樹の価値を高める一つの手段として今後の実装が期待されます。
今回は落葉期における調査として、ドローンによる上空からのレーザー計測に加え、地上(森林内)からのレーザー計測も一部実施しました。今回の調査のほかに、樹種判別の調査として新緑期に1回、紅葉期にも1回ドローンによる調査を実施する予定です。針葉樹人工林における林業ではスマート林業の研究が進み、既に実用的な技術として認識されていますが、広葉樹天然林ではまだまだチャレンジングな取り組みです。しかし、持続可能な広葉樹林業を目指す飛騨市は、こうした取り組みにも積極的に挑戦していきます。