「5Days公務員実践型インターンシップin飛騨市役所」に参加して(レポート①)

レポート

今回の「5Days公務員実践型インターンシップin飛騨市役所」に参加してくれた3名の学生の皆さんに、5日間の業務で感じたことなどをレポートにまとめてもらいました。

そのレポートを3回に分けて原文のままお届けします。

横浜市立大学4年 服部 諒 さん

 私は、今回のインターンで得られる人とのつながりや知見を、将来の夢を実現するための資産にしたいと考え応募させていただきました。その夢というのが、飛騨で林業を活用して起業をすることです。幼い頃から飛騨で木工に携わる父を見て育ち、いつか自分も森で仕事がしたいと漠然と思うようになり、気付けばこんな目標を掲げていました。そして、そんな想い一つで応募に至ったのですが、決して公務員を志望しているわけでもなく林業の即戦力にもならないような私を、このように迎え入れていただき、まずは飛騨市役所の懐の深さに感銘を受けました。

 月曜日の朝、副市長から名刺を頂き、5日間の業務がスタートしました。短い期間ではありましたが、市役所として、林業振興課としてどのように飛騨の森や地域に向き合っているのか、林業事業者はどのように飛騨の林業を支えているのか、様々な立場の仕事や想いに触れて学ぶことができました。

 数多く体験させていただいた業務の中で、一番印象的だったのは天然更新状況調査です。広葉樹の多い飛騨の森では、木を伐採した後は天然更新という形で、人の手を加えず森が自然に再生するのを待ちます。その再生が問題なく行われているか、定期的に調査に向かうのですが、今回はその調査に同行させていただきました。急傾斜の藪の中でナタを使って道を切り開き、山に登り、一定の区画の中にどんな樹種が何本生えているか記録をします。そんな日の私は、登山の服装に登山靴、タンパク質多めの肉体派弁当(高校以来の母の手作り弁当)と、当初想像していた、スーツに事務作業が中心であろうインターン像とはかけ離れておりました。さらに驚いたことが、市役所の職員がこうして現場へ調査に向かうだけでなく、伐採前には飛騨市伐採審査委員会の方も同行して事前調査も行われており、徹底された森林保全が行われていたことです。

 その他飛騨市では、広葉樹の新たな取り組みとして行政や民間が連携し、市独自で木材のサプライチェーンを形成しています。地道な事務作業も当然ありましたが、まさに「ドSな市役所」たるドSで斬新な取り組みまで様々見ることが出来ました。  1300年前の律令制度の史料に「飛騨の匠」が登場するそうですが、飛騨は優れた木工集団として京都や奈良といった古都の建築を支えてきた歴史があります。そしてまさに今も、こうして飛騨の林業は全国に先駆けて新たな取り組みに挑戦しています。そこを舞台に5日間、実践的な業務に携われたことは、今後の人生において大きな財産になったと考えています。そしていつか自分も林業で活動をする際に、今回の経験を余すことなく存分に活かしていきたいと思います。