飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアム令和3年度総会が開催されました。

レポート

昨年6月に発足した「飛騨市広葉樹活用推進コンソーシアム」の令和3年度総会が5月25日、飛騨市役所西庁舎会議室にて開催されました。コロナ禍での開催ということもあり、やむを得ず時間を短縮しての開催となりましたが、令和2年度の事業報告をはじめ、本年度の事業計画や予算などが全会一致で承認されました。

令和2年度の事業報告では、飛騨地域で伐採された広葉樹のうち、小径または低質(曲がり、裂け、節、カシナガなど)のため、これまでは山土場から直接チップ用材として市外に販売された広葉樹を市内の流通拠点施設に搬入し、選別して家具や什器、建材などの価値の高い材として販売した量(材積)がおおよそ58立米であったことなどが報告されました。また、広葉樹活用コンシェルジュの及川さんからは、マッチング事業の報告の中で、現在流通拠点施設に保管中の令和2年度報告に含まれていない小径材についても、全て買い手が付いたことも報告されました。

1年間の活動成果を報告する飛騨市広葉樹活用コンシェルジュの及川さん

これらの実績は、当初設定した小径・低質材の取扱及び販売の目標である100立米を大きく超えるものであり、地域材の域内流通による新しい経済循環の創出に寄与したと言えます。

令和3年度から始まる新たな事業の決意を述べるコンソーシアムの西野会長

令和3年度事業計画では、昨年度の試験研究事業で技術的には実施が可能であることが実証された小径広葉樹の短期製品化について、新たにコンソーシアムが事業主体となり3か年(R3~R5)の研究事業を実施することが承認されました。これは、これまで伐採から商品化(乾燥済板材)まで約1年を要していた期間を、約3~4か月にまで短縮する技術で、広葉樹の在庫の考え方と流通を大きく変える可能性がある技術として注目されています。本年度から3か年で飛騨市に合った木材乾燥施設の研究を行い、地域内の企業が製造、設備等の最適化、その後のメンテナンス等を実施できるハード面でのノウハウの蓄積と、乾燥施設や乾燥する材の樹種、飛騨の気候等に合った乾燥スケジュールなどのソフト面でのノウハウを蓄積し、小径広葉樹短期製品化技術の実装を目指します。

「取り組みは新たなステップに入った」と述べる都竹市長

「飛騨市広葉樹のまちづくり」の新たなステップとも言える本年度からの事業は今後様々な困難も予想されますが、引き続き持続可能な広葉樹活用の仕組みづくりに向けて取り組みを進めて行きますので、皆様のご支援よろしくお願いいたします。