飛騨の匠の風にあてられて

その他

土地の風土がもつ説得力

休日にDIYで娘の絵本用ボックスの制作にチャレンジしてみました。

DIYなど大してやったこともなく、またモノづくりの気質をもっていたわけでもない自分が、こんなふうにボックスを作ろうと思ったこと自体、とても意外でした。

振り返ってみると、飛騨の風土や人々の暮らし方にとても影響を受けたのだと思います。

当たり前のように、モノづくりの光景を目にすることができる飛騨という地は、そこに暮らしているだけで、手を動かしモノを作りたくなるような気にあてられてしまいます。

積雪量の多い日本海沿岸部、とりわけ北陸圏においては、昔から様々な職人仕事が栄えてきました。京都や大阪といったかつての都との地理的優位性もさることながら、やはり積雪量や自然資源の豊富さなどによる土地の風土が育んだものが大いに関係あるはずだと、飛騨に移住してからはそう実感するようになりました。

飛騨市森林組合による80年生の広葉樹林の施業風景です。きっと80年前の人たちの生活を支えた森だったんだと想像されます。

飛騨という土地の風土が飛騨の職人たちを育て、そして職人たちの生み出したモノの奥から飛騨の風土が垣間見えるような、そんな有機的な関係性が伺えます。飛騨の職人が、飛騨という地でものづくりをすることの意味は、飛騨の風土そのものが多くを語ってくれており、土地の風土そのものに何よりの説得力があります。

土地と暮らしとの理想的な結びつき方なのではないかと、そう感じます。

そして、そんな飛騨の匠の風にあてられて、娘のためにDIYをしてみた次第です。

使ったのは、工場からもらった虫だらけのヤマザクラとヒノキの端材です。仕事柄、材料に困らないのも本当にありがたい。売ることを考えない分、自由に楽しめました。

ぜひ多くの方々に、この飛騨という土地のもつ魅力を感じていただきたいなと思っています。

虫が入り、変色もしているヤマザクラ。細い材を接ぎ合わせてみました。