需要が供給を引っ張る方法と、供給が需要を引き込む方法

活動・実績紹介

外国産材から国産材へ切り替えることの難しさ

きょうは朝から乾燥機のデータを採った後、山県市へ営業に行って参りました。主に外国産材による家具製造を行う会社でしたが、今後の事業の方向性として国産材の使用も検討しており、今回お話を聞いていただける運びとなりました。

未利用材も含めた地域産広葉樹の提案をする際は、未利用広葉樹の良いところ・可能性を最大限にPRするわけですが、それは実際に品質として外国産材に勝てるものなのかというと、そこまでのものではありません。では、外国産材から地域産広葉樹に変えていく決め手となるものは、何になるのか。良い材料とは、結局のところなんなのか。

飛騨地域では、現在、未利用広葉樹を作家さん・作り手の方々とマッチングし、製材・乾燥までの管理をさせていただく取組みを行っています。この仕組みは、これまで原木に触れることのなかった作り手・使い手の方々に対し、未利用広葉樹をお見せすることで、マーケットに求められる品質をダイレクトに原木へと反映させることができる仕組みとなっています。

この方法はいわば、需要側に供給側を引っ張ってもらうやり方と言えます。需要側からこんなニーズがあるんだよと教えてもらい、実際に未利用広葉樹を買っていただくことで、供給側との品質や規格のミスマッチをなくすことができます。

一方で、外国産材を主として利用している事業者様に対して、そこまでの強い需要の喚起を期待できるかというと、難しい部分が多くあるということが、きょうの営業を通してよくわかりました。需要側に供給側を引っ張ってもらうやり方は、お客様にもある程度の在庫リスクをもたせることになります。また、原木購入から人工乾燥終了までの間、在庫としてお金が眠ることにもなります。そしてなによりも、自ら品質を決めなければならない責任も発生します。

こういう場合には、需要側に供給側を引っ張ってもらう方法ではなく、ある程度の在庫リスクを負って、供給側から品質・規格の提案をしていくような、供給側が需要側を引き込む方法も必要ではないかと思うようになりました。それはつまり、外国産広葉樹が提供している商品価値を、地域産広葉樹でも提供できないか、ということです。

品質をそろえるための明確な仕分基準、耳のとれた板材状態での販売、安定した乾燥品質。地域産広葉樹が、これらの要素を兼ね備えた本当の意味での「商品」となるために、供給側から価値提案をすることの必要性を感じています。そうすることではじめて、外国産広葉樹からの転換が始まる可能性があります。

地域産広葉樹が、本当の意味での「商品」となり、外国産材からの切り替えのハードルを下げることができれば、供給側が需要側を引き込み、広葉樹の規格の常識が変わっていく、そこまでやらないといけないんだと思います。